壁紙における不燃認定・準不燃認定・防火認定の違いを解説!
コラム
建築材料は防火性能によって「不燃材料」「準不燃材料」「難燃材料」といった認定を受けているものがありますが、いずれも燃えない・燃えにくい機能を有していることはわかるものの、具体的な定義やそれぞれの違いが分かりづらいですよね。
そこでこの記事では、壁紙の防火性能について、認定の基準や各認定の定義など詳しく解説していきます。
不燃認定・準不燃認定・防火認定の違い
防火認定とはある建築材料が建築基準法の技術的基準をクリアし、国土交通大臣によって十分な防火性能を持っていると認められたことを意味し、この様な材料のことを「防火材料」と呼びます。
防火材料として認定されるためには、次の3つの要件を満たす必要があります。
1. 燃焼しないものであること
2. 防火上有害な変型、溶融、き裂その他の損傷を生じないものであること。
3. 避難上有害な煙又はガスを発生しないものであること。
つまり防火認定を受けた壁紙とは、火災時の延焼や、変型、ガス等による二次被害を抑制する性能を備えた壁紙のことを指すということです。
ただし、上記の様な防火性能はずっと持続する訳ではなく、防火認定においてはこの様な防火性能を発揮できなくなるまでの時間によって、認定基準を3つに分類しています。
それぞれの分類と加熱され始めてから防火性能を失うまでの時間は次のとおりです。
■ 不燃材料 : 加熱開始から20分
■ 準不燃材料 : 加熱開始から10分
■ 難燃材料 : 加熱開始から5分
最も高性能な不燃材料は火災等の熱に晒され始めてから20分間は防火性能を維持できるのに対し、準不燃材料はその半分の10分間、難燃材料は1/4の5分となっています。
火災時に燃え始めるまでに最大で15分も差が生まれると考えると、同じ防火材料であってもどの認定を受けているかというのは壁紙選びにおいて重要な問題と言えるでしょう。
防火性能は下地と施工方法の組み合わせによって変わる
防火性能は材料単独ではなく、組み合わされる下地基材と、どの様に施工されるかによっても変わります。
販売店の見本帳などにも防火性能とあわせて「1-1」「2-6」といった形で数字が記載されていますが、これは日本壁紙協会が定めている、下地・施工方法との組合わせによってどの防火性能となるかを表した「防火種別」と呼ばれるものです。
以下に防火種別の表を掲載します。
防火種別 | 防火性能 | ||||||
施工方法/直張り | 施工方法/下張り | ||||||
不燃材料 | 不燃石膏ボード | 準不燃材料 | 金属板 | 不燃材料 | 不燃石膏ボード | 準不燃材料 | |
1-1 | 不燃 | 不燃 | 準不燃 | 準不燃 | ー | ー | ー |
1-2 | 不燃 | 準不燃 | 準不燃 | 難燃 | 準不燃 | 難燃 | 難燃 |
1-3 | 不燃 | 準不燃 | 準不燃 | ー | ー | ー | ー |
1-4 | 不燃 | 不燃 | 準不燃 | 不燃 | ー | ー | ー |
1-5 | 不燃 | 不燃 | 準不燃 | 難燃 | ー | ー | ー |
1-6 | 不燃 | 不燃 | 準不燃 | ー | ー | ー | ー |
1-7 | 不燃 | 準不燃 | 準不燃 | 不燃 | ー | ー | ー |
1-8 | 不燃 | 準不燃 | 準不燃 | 準不燃 | ー | ー | ー |
2-1 | 準不燃 | 準不燃 | 準不燃 | 準不燃 | ー | ー | ー |
2-2 | 準不燃 | 準不燃 | 準不燃 | 難燃 | 難燃 | 難燃 | 難燃 |
2-3 | 準不燃 | 準不燃 | 準不燃 | ー | ー | ー | ー |
2-4 | 準不燃 | 準不燃 | 準不燃 | 難燃 | ー | ー | ー |
2-5 | 準不燃 | 準不燃 | 準不燃 | ー | 難燃 | 難燃 | 難燃 |
2-6 | 準不燃 | 準不燃 | ー | ー | ー | ー | ー |
2-7 | 準不燃 | 準不燃 | ー | 不燃 | ー | ー | ー |
3-1 | 不燃 | 難燃 | 難燃 | ー | ー | ー | ー |
3-2 | 不燃 | 不燃 | 難燃 | ー | ー | ー | ー |
3-3 | 不燃 | 準不燃 | 難燃 | ー | ー | ー | ー |
4-1 | 準不燃 | 難燃 | 難燃 | ー | ー | ー | ー |
4-2 | 準不燃 | 準不燃 | 難燃 | ー | ー | ー | ー |
5-1 | 難燃 | 難燃 | 難燃 | ー | ー | ー | ー |
6-1 | 不燃 | 不燃 | ー | ー | ー | ー | ー |
6-2 | ー | ー | ー | 不燃 | ー | ー | ー |
6-3 | 不燃 | 不燃 | ー | 不燃 | ー | ー | ー |
6-4 | 不燃 | ー | ー | 不燃 | ー | ー | ー |
6-5 | 不燃 | ー | ー | ー | ー | ー | ー |
一覧表では下地基材の種類が「不燃材料」「不燃石膏ボード」「準不燃材料」「金属板」の4つに分類されており、さらに施工方法も直張りか下張りの2通りがあります。
例えば「防火種別1-1」の壁紙の場合、不燃材料に直張りした場合には不燃性能を発揮するのに対し、下地基材が金属板の場合には防火性能は順不燃となります。
また、下張り工法の場合にはいずれの下地基材の場合にも防火性能を発揮することはできません。
防火認定された壁紙を選ぶ際には、この様な点にも注意してください。
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不燃材料
具体的に防火材料にはどの様なものがあるのかを見ていきましょう。
まずは不燃材料から紹介します。
不燃材料は平成12年建設省告示第1400号に、以下のものが例示されています。
一 コンクリート
二 れんが
三 瓦
四 陶磁器質タイル
五 繊維強化セメント板
六 厚さが三ミリメートル以上のガラス繊維混入セメント板
七 厚さが五ミリメートル以上の繊維混入ケイ酸カルシウム板
八 鉄鋼
九 アルミニウム
十 金属板
十一 ガラス
十二 モルタル
十三 しっくい
十四 石
十五 厚さが十二ミリメートル以上のせっこうボード(ボード用原紙の厚さが〇・六ミリメートル以下のものに限る。)
十六 ロックウール
十七 グラスウール板
また、ここに記載されていないものであっても、国土交通省指定の性能評価期間によって防火性能が確認され、国道交通大臣によって認可されたものであれば不燃材料として認定されます。
その場合、外部仕上用の材料は「NEー○○○○」、一般の材料は「NMー○○○○」という認定番号が与えられます。
準不燃材料
続いて、準不燃材料について紹介していきます。
平成12年建設省告示第1401号により、以下のものが定められています。
第一 通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後十分間建築基準法施行令(以
下「令」という。)第百八条の二各号に掲げる要件を満たしている建築材料は、次に定
めるものとする。
一 不燃材料のうち通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後二十分間令
第百八条の二各号に掲げる要件を満たしているもの
二 厚さが九ミリメートル以上のせっこうボード(ボード用原紙の厚さが〇・六ミリメ
ートル以下のものに限る。)
三 厚さが十五ミリメートル以上の木毛セメント板
四 厚さが九ミリメートル以上の硬質木片セメント板(かさ比重が〇・九以上のものに
限る。)
五 厚さが三十ミリメートル以上の木片セメント板(かさ比重が〇・五以上のものに限
る。)
六 厚さが六ミリメートル以上のパルプセメント板
第二 通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後十分間令第百八条の二第一
号及び第二号に掲げる要件を満たしている建築材料は、次に定めるものとする。
一 不燃材料
二 第一第二号から第六号までに定めるもの
不燃材料と同様に、準不燃材料も上記以外に国土交通省によって認可された材料には認定番号が与えられ、準不燃材料として仕様することが認められます。
認定番号は外部仕上用の材料の場合「QEー○○○○」、一般の材料は「QMー○○○○」となります。
難燃材料
最後に、難燃材料について見ていきましょう。
難燃材料は建設省告示1402号において、次のように例示されています。
第一 通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後五分間建築基準法施行令(以
下「令」という。)第百八条の二各号に掲げる要件を満たしている建築材料は、次に定
めるものとする。
一 準不燃材料のうち通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後十分間令
第百八条の二各号に掲げる要件を満たしているもの
二 難燃合板で厚さが五・五ミリメートル以上のもの
三 厚さが七ミリメートル以上のせっこうボード(ボード用原紙の厚さが〇・五ミリメ
ートル以下のものに限る。)
第二 通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後五分間令第百八条の二第一
号及び第二号に掲げる要件を満たしている建築材料は、次に定めるものとする。
一 準不燃材料
二 第一第二号及び第三号に定めるもの
難燃材料に認可されば材料は、外部仕上用の材料の場合「REー○○○○」、一般の材料は「RMー○○○○」という認定番号が与えられます。
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防火認定を受けた材料を使用する必要性
建築物は施工する場所によって防火材料を使用しなければならないと建築基準法によって義務付けられており、これを「内装制限」と呼びます。
内装制限は不特定多数の人が利用する商業施設や公共施設などに対して適用されるもので、具体的には映画館や劇場、レストラン、デパート、病院といった建築物が挙げられます。
この様に多くの人が集まる施設は火災時に被害を抑えるため、施工の際には不燃材料、準不燃材料、難燃材料のいずれかに認定されたものを使用しなければなりません。
指定される材料は建築物の種類や規模によって異なります。
また、使用箇所は天井、壁、扉、柱が指定されており、基本的には床以外の全ての場所に防火材料を使用する必要があります。
なお、ここでは内装に関する防火材料使用の必要性のみを解説しましたが、これとは別に屋外における防火認定についても建築基準法による定めが存在します。
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Armsの防火壁紙を紹介
デジタルプリント壁紙通販サイトの「Arms」では、自社工場にてデジタルプリント壁紙を受注生産しているため、壁紙の柄だけではなく素材まで選べるというのが特徴の一つです。
当然、ここまで紹介してきたような防火壁紙をお好みのデザインで制作することも可能です。
Armsで取り扱っている防火壁紙は「塩ビフラット」と呼ばれるものです。
扱いやすく、耐久性や防水性などの機能面でも優れているため、日本のほとんどの住宅で使われている優れた素材です。
質感や発色も良く、お好みの柄をデジタルプリントで綺麗に表現することができるため、デザイン性にこだわりたい方にもおすすめです。
国土交通省による防火認定では「不燃認定(認定番号NM-3098)」と「準不燃認定(認定番号QM-0699)」を取得しており、防火性能も申し分ありません。
国土交通省によって認可された施工物件も5000件以上という実績を持ち、非常に信頼性の高いおすすめの素材となっております。
また、防火性能以外にも優れた機能性を持ち合わせており、シックハウス症候群やガンの原因になると指摘されているホルモアルデヒドの発散が最も少ないレベルであるという「特級F☆☆☆☆認定(認定番号MFN-0408)」を取得しています。
商業施設や店舗で施工しやすい90cm幅で提供しておりますので、ご購入をご希望の方はお気軽にお問い合わせください。
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まとめ
壁紙などの建築材料における、不燃認定・準不燃認定・防火認定の違いについて解説しました。
防火認定とは建築基準法によって定められた「燃焼しないこと」「変型や融解、き裂などを生じないこと」「有毒なガス等を発さないこと」という3つの技術的基準をクリアした建築材料に対し、国土交通大臣によって与えられる認定のことです。
さらに、防火認定は上記の要件を加熱からどのくらいの時間維持できるかによって3つに分類され、不燃認定と準不燃認定はその中の2つです。
つまり、防火認定の中に不燃認定と準不燃認定があるということになり、残りの一つは難燃認定となります。
それぞれの具体的な要件や、防火認定の必要性についても詳しく解説しましたので、ぜひ参考にしてみてください。
Armsでは不燃認定を取得し、他にも様々な高機能を有する塩ビフラットの不燃壁紙も取り扱っておりますので、ぜひお問い合わせください。
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お電話でのお問い合わせは、
北九州本社:093-381-6400 もしくは、東京支店:03-6672-0406
(受付時間:平日9時~17時)までお願いします。
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