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西洋と日本の美意識の違いからインテリアへの理解を深める

コラム

 

インテリアのトレンドや新しい空間表現は、日々世界から発信されています。
しかし、そもそも日本と西洋とでは建物や家具に大きく違いがみられます。
私たちが海外旅行へ行くと、見慣れない街並みや建築物に感動や衝撃を受けることは少なくないでしょう。
この違いは一体なぜ生まれるのか。それには、西洋と日本の美意識や文化の違いが関係していると考えられます。

美意識や文化の違いはわたしたちの住環境にも大きな影響を与えます。

今回は、住環境における西洋と日本の美意識の違いを、その背景を含めて解説します。
西洋と日本の住環境を比較すると、家そのものの建築方法からインテリアまで、さまざまな違いが分かり、新たな発見があるでしょう。
それぞれの文化の違いを理解し、今までよりも一層にインテリアの世界を楽しみましょう。

西洋と日本の美意識・文化の違いによる家の特徴を比較

はじめに、西洋と日本の美意識や文化の違いが、どのように家の特徴に影響を与えているかを見ていきましょう。
もちろんここで挙げる特徴が絶対ではありませんが、一般的な特徴として考えられているポイントをまとめます。

西洋の家の特徴

西洋の家と日本の家を比べると、見た目から構造そのものまで、まるで違う考え方で作られていることに気づかされるでしょう。
ここでは、西洋の家の特徴を3つピックアップします。

特徴① 石造りの家が多い

西洋の家の特徴に、石造りでがっしりとした家が多いことが挙げられます。
これには、西洋の「自然は人の手で制御する」という考え方が表われているといえます。
壊れにくい石造りの家で、自然災害や厳しい冬の寒さを乗り切るためのシェルターのような役割を果たしているのです。

特徴② 外部と遮断され窓の数が少ない

外部と遮断して造られた西洋の家は、日本の家と比較して窓の数が少ないのも特徴です。
家の中と外部を切り離し、寒い冬でも密閉された室内で快適に過ごすことが重視されていると考えられます。
冬に使用する暖炉は、煙突に上昇気流を起こさせて自然に換気できる仕組みです。
石造りの厚い壁・小さくて少ない窓・閉まっているのが基本のドア・暖炉などは、熱を外に逃がさず自然から室内を守ります。

特徴③ 築年数に比例して資産価値が上がる

西洋の家は、築年数に比例して資産価値が上がるという特徴があります。
そのため、長く住み続けられるよう手入れをして、子どもや孫の代まで引き継ぐのが一般的です。
築年数の長い家は、その後も手入れさえすればいつまでも住み続けられると考えられ、中には築数百年に及ぶ物件も珍しくありません。

日本の家の特徴

日本家屋

日本古来の住宅にも特徴があり、西洋のそれとは異なった魅力が見つかります。
ここでは、わたしたち日本人にとって見慣れている日本の家の特徴を3つピックアップします。

特徴① 木・紙・土で造られてきた

日本の家は、以前から木・紙・土で作られてきたのが特徴です。
石や金属に重きを置く西洋の重量文化に対して、木を中心とする日本の家は軽量文化であるといえるでしょう。
日本の家に当たり前のように存在する「ふすま」や「障子」は、軽い力で簡単に開閉できる紙で作った傑作といえます。

特徴② 戸外とのつながりを大切にしている

日本の家は、戸外とのつながりを大切にしている点で特徴的です。
自然との融合を好む日本人らしく、引き戸を開けっ放しにしたり窓の数を多くしたりして風通しをよくします。
また土間や縁側などは、自然と一体化できる空間を提供します。
このように日本では、自然や季節を感じながら快適に過ごせる家づくりを目指してきたといえるでしょう。

特徴③ 築年数に応じて資産価値が下がる

日本では新築の資産価値が高く、築年数に応じて下降するのが一般的です。
そのため、何らかの理由で土地を手放す際は、築30年ほどの古くなった家付きでは売れずに、解体することも珍しくありません。
また、子どもの世代になると建て替えを検討するケースも増えていて、日本の家は数十年で解体されてしまうサイクルが出来上がっているといえます。

美意識や文化の違いによる日本と西洋のインテリアの相違点

西洋家屋

家の構造だけでなく内側を比較しても、日本と西洋の住環境は大きく異なります。
これにも、西洋と日本の美意識や文化の違いが表れているといえるでしょう。

ここでは家具のサイズと照明の数に注目して、相違点や背景として考えられるポイントを解説します。

家具のサイズの違い

海外製のテーブルに座ると、若干高いように感じることはないでしょうか?
実は、国産のテーブルに比べて海外製のテーブルは3〜8cmほど高く設定されているといわれています。
これには、西洋人と日本人の体格の違いに加えて、室内でも土足で生活するスタイルが関係しています。
靴を履いているのと素足では背の高さが数センチ変わるため、家具のサイズにも影響がでると考えられます。

また、リビングに設置するセンターテーブルの高さも、日本では床に座ってちょうどよい40cm以下のものが多いのに対し、海外製のものは40cm以上が主流です。
海外ではそもそも床に座る習慣がなく、ソファに座った状態で使いやすい高さに調整されているといえます。

照明の数の違い

日本では、1つの部屋に1つの照明器具を設置する「1室1灯」が一般的ですが、西洋では複数の照明器具を設置する「1室多灯」が主流です。
1室多灯では、照明を組み合わせて雰囲気づくりができることや、必要なところだけを照らすことで省エネ効果があるともいわれています。

海外の家では照明が若干暗い印象がありますが、これには目の色がブルー・グリーンなど色素の薄い西洋人にとって、明るい部屋は眩しく感じることも関係しているようです。

西洋と日本には美意識や文化の共通点もある

日本の現代の風景

西洋と日本の美意識や文化の相違点について解説しましたが、両者には共通点もあります。
ここでは、主に住環境における西洋と日本の共通点を解説します。

手入れをしながら長く使うことへの価値観

西洋の家と比較して日本の家は築30年ほどで解体されてしまうことに触れましたが、これは決して日本の家の寿命が短いわけではありません。
手入れをきちんと行うなら、木造家屋でも長く使えます。

日本では築年数に応じて資産価値がなくなるため、まだまだ使える家も解体されてしまうことが多いだけです。
手入れをしながら長く使うことへの価値観には共通点があり、日本人も可能であれば世代を超えて長く住み続けたいのが本音です。

異文化へのあこがれの気持ち

「隣の芝は青い」とはよくいったもので、異文化へのあこがれの気持ちは西洋と日本でも同じです。
日本では西洋文化を取り入れることが多いですが、その逆もしかり。
グローバル化により日本文化が海外に広まると、日本の住環境を取り入れたいと考える方も増えているようです。

例えば、フローリングの人気が高まると同時に和室が減少している日本では、畳の国内生産数の減少が続いています。
ところが、海外への販売数はここ数年で上昇しているとのこと。
特に海外の富裕層を中心に、畳を注文する方が増えているようです。

また、空き古民家の扱いが難しく解体せざるを得ない中、日本の歴史的建築物を守ろうとする動きがあります。
日本の伝統技術が使われている古民家に魅了される外国人も多く、海外でも一定の需要があることから移築する活動もはじまっています。

時代と共に変化する住環境

古来の建築方法や住環境は時代と共に変化しており、これは西洋においても日本においても共通の課題であるといえます。

例えば日本では、自然と一体化した建築方法が一般的でしたが、大気汚染や花粉などの問題により、窓を閉め切って快適に生活できるよう変化が求められています。

西洋でも、例えばイギリスでは築年数の古い建物のメンテナンスがきちんと行われていないため、ヒーター設備が付いていても燃費が悪く、「最悪の住環境」であるとのレッテルが貼られています。
時代や生活環境の変化に応じて、住環境も変えていかなければならないのは、西洋も日本も同じだとわかるでしょう。

まとめ

理想の住環境を考える際には、西洋と日本の美意識の違いを比較しつつ、両者のよいところを取り入れることをおすすめします。
ただし、闇雲に西洋スタイルを導入するのはNGです。

家具のサイズや素材などには、文化や生活環境の違いによるさまざまな背景があるため、お住いの地域の気候や環境に合っているか考えてから検討しましょう。

さて、建物をいきなり西洋風に変えるのは難しいですが、壁紙を変えることで気軽に理想的な住環境を手に入れることは可能です。
日本ではなぜか白い壁紙が多いですが、壁紙を変えるだけでも部屋の雰囲気はガラッと変わります。

どの壁紙にすればよいかわからない方は、西洋テイストのおしゃれな壁紙も取り扱っている「Arms」まで、お気軽にお問い合わせください!▶お問合せフォーム

 

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