目指せシンプル!壁紙を使ったお部屋づくり
コラム
ここ近年の傾向として「ホリスティック」という言葉がよく聞かれるようになったほど、量産性を重視した家づくりではなく、個々の過ごしやすさや空間づくりを重視した取り組みが進んでいます。
今回は多様化するシンプルの在り方に注目して、『ワンランク上のシンプルなお部屋』を実現するために役立つ記事を目指します。無地の壁紙にこだわらず、インテリアを活かすシンプルな壁紙をご紹介するので、ぜひ参考にしてみて下さい。
そもそもシンプルとは何か?どのようなイメージか?
深く掘り下げると哲学的意味まで含むこの言葉。
まずは、『シンプルとは何か?』という基礎部分より、そもそも「シンプル」とはどんなものかに迫ってみましょう。
シンプルという言葉の由来と意味
「シンプル」は、英単語の「simple」が由来となっているカタカナ語です。
その基本的な意味は「単純さ」です。対義語は「複雑さ」ということになります。
シンプルが与える印象とイメージ
シンプルが与える印象やイメージにはどんなものがあるでしょうか?
例えば、以下のようなイメージがあります。
- 単純さ
- 簡単さ
- 素朴さ
- 率直さ
- 無駄がない
- スッキリしている
- 精錬されている
シンプルの概念はデザインや美術でもよく考えられるものですが、人によって捉え方が違うため、「本当に必要なものを選ぶこと」や「引いて美しく魅えるもの」、「物事の輪郭を抜き取ったもの」や「物事の本質を洗い出すこと」などと、概念の形も様々です。
しかし、全体を通して”量”として感じ取ったとき、共通して言えるのは”少なく簡潔するもの”を示しているイメージではないでしょうか。
つまりシンプルを目指した時、「追加していく」方向に進むよりも、「削ぎ落とす」方向に進んでいくことになります。
この傾向をインテリアに置き換えたとしても、「必要なものに絞る」ことが必要だと分かりますね。
ただ、削ぎ落すだけでは殺風景になってしまうため、必要なものを残したのちに、美しく配置してこそ空間表現におけるシンプルの本質に近づくのではないでしょうか。
※ここでのシンプルの概念はあくまで個人的な意見です。
シンプルなお部屋をつくるには?
シンプルなお部屋に限らず、空間デザインに入る前には、まずどんなイメージにしたいか、考えていくことをおすすめします。
イメージをはっきりさせるために、カタログや雑誌、Webサイト、SNSなどで、気に入ったお部屋の写真や動画を集めてみると良いかもしれません。
そのことを前提に、以下では、よりオリジナリティを出すために何を意識すべきか具体的に見ていきたいと思います!
シンプルな表現に近づく2つの要素
空間表現もデザインの1つです。紙面などのグラフィックデザインと同じように、『レイアウト』と『色校正』を意識することがポイントになります。
レイアウト
レイアウトで表現できるシンプルは、配置する家具の量と余白の調整がポイントとなります。以下のような点を軸として意識してみて下さい。
- 家具や小物は必要最低限の量に絞る
- 装飾の少ないインテリアを選ぶ
- グループを意識して家具と家具の間隔をあける
空間表現では、物の量を調整するだけでもシンプルに近づきます。
例えば、床や壁に柄が取り入れられていたとしても、配置する家具の量を減らして余白を設ければシンプルな表現が実現します。
色校正
色校正で表現できるシンプルは、色合いや柄の取り入れ方によって調整できます。
こちらは以下のような点を意識してみて下さい。
- 室内に使う色彩量を絞る
- 系統や色が同じ柄を取り入れる
- 目立つ色や柄は限定して取り入れる
平面でシンプルなデザインをするとき、色数を3つ程度に絞るように、空間デザインでも色彩量はなるべく少なく意識します。
また、柄を取り入れる場合は『北欧調』『エスニック』といった系統を揃えることも大事です。系統を揃えた場合でも、目立つ色や柄は隣り合わせに取り入れず、ある程度限定したポイントに取り入れることで、騒がしい表現を避けられます。
お部屋コーディネート実践前に定める基準
シンプルな表現では、『余分なものを削ぎ落とし、洗練された少数の要素に絞る』という話を先述しました。
つまり、失敗しないコツは大まかに仕上げていくのではなく、より詳細な点で基準を決めておくことと言えます。
先述した2つの要素に加え、具体的に決めておくとスムーズなポイントは以下のようになります。
- お部屋全体の基準の色
- インテリアのフォルム
- インテリアの質感
1. お部屋全体の色合いの決定
お部屋の仕上がりイメージを決定するにあたって、基準とするテーマカラーを決めると、家具や壁紙を選びやすくなります。
その際、同トーンでまとめる方法と、多色使いでまとめる方法があります。
基本となる1色を選び、壁紙やインテリアには同じトーン内の色を取り入れます。
使用するカラーは多くても3色程度に抑えるとまとまりやすくなります。
3色の場合でも1色だけ差し色を決め、あとの2色はなるべく近いカラーを使用するとまとまりやすくなります。
また、無彩色と有彩色の組み合わせを上手く組み合わせるのもオススメです。
2. 配置するインテリアのフォルムの決定
シンプルにまとめるには、お部屋全体のカラーだけでなく、“ フォルム ” も大事です。
インテリアの種類に角ばったものや丸いものが多様に混同していると、全体としてまとまりにくくなります。
“北欧調”や“エスニック”といったようにテーマを決めたとしても、その中で家具のフォルムを揃えるのがポイントです。
3. 床や天井、家具に使用する質感の決定
お部屋のイメージを決める際、忘れがちな天井や床のを意識するのもポイントです。
特に、床はあらかじめ畳や板張りといったように素材が決まっている場合が多かと思いますが、この質感を利用すると、お部屋の統一感はぐんとアップします。
例えば床がベージュのビンテージな板張りだった場合、壁紙も同トーンのカラーで合わせたり、同じ質感の柄を取り入れるのがオススメです。これは床や天井だけでなく、家具の一部の素材感を壁紙に取り入れてもお部屋全体の統一感が増します。
まとめると、色やフォルム、質感といったように、全体を意識しながらグループごとに細かな基準を定めると、より空間表現の幅が広がります。
シンプルでおしゃれなお部屋にオススメの壁紙をご紹介!
最後に、弊社で取り扱っている壁紙の中から、シンプルながらもおしゃれなお部屋を作れる壁紙と柄をご紹介いたします。
・OCH076:柔らかい印象のベージュ系壁紙
花をモチーフにしたデザインの壁紙です。
ベージュ系の柔らかい印象なので、家具とも比較的合わせやすいデザインです。
また、和柄を思わせるデザインでもあるので和洋どちらのお部屋にもお使い頂けます。
・COA079:ノスタルジックなレンガ柄の壁紙
重厚感がある風格に、ノスタルジックな雰囲気も感じさせてくれるレンガ柄の壁紙です。
無彩色なので、色合いのある家具や壁紙と組み合わせやすいです。
「レンガ」のあるお部屋作りも、壁紙ならお手軽にチャレンジできますよ。
・COA094:地層柄のダイナミックなデザイン壁紙
地層柄のダイナミックなデザインです。
筆跡の質感や味わい深さを感じられるナチュラルなデザインなので、
木材の家具や観葉植物などとの相性もバッチリ。
・COA067:天然石を思わせるタイル調の壁紙
天然の素材感を感じる表情豊かなタイル。
やわらかで落ち着いた色合いから、自然の温かみを感じます。
カントリーな家具や北欧調の家具との相性が良いアイテムです。
・COA037:モルタルをモチーフにしたデザインの壁紙
ツートンカラーのモダンな印象の壁紙です。
絵具や筆跡の質感からクールな色合いの中に温かみを感じます。
シンプルながらも変化のあるデザインなので、柄入りの壁紙に挑戦してみたい、初心者の方にもオススメの壁紙です。
・AJR030:伝統的な編み柄を表現した壁紙
伝統的な編み柄「市松模様」をモダンに表現した壁紙。この模様は古代から存在する文様で、元々は「石畳」と呼ばれていました。
落ち着いたグレーの色合いは家具と合わせやすく、多色使いの場合でも、取り入れやすいのでお勧めです。
・NRR035:シンプルなイラスト付き壁紙
手描きで描かれた、小花柄の可愛らしい壁紙です。
花のモチーフがちりばめられ、華やかな雰囲気もありますが、
柄全体としてはシンプルな仕上がりなので、比較的幅広い家具と合わせやすくオススメです。
シンプルな壁紙を使ったお部屋のメリット
シンプルなお部屋を実現するのにオススメな、比較的シンプルな印象の壁紙を紹介しましたが、
シンプルな壁紙自体にも、以下のようなメリットがあるので少しご紹介させて頂きます。
部屋が広く感じる効果
壁紙のデザインや張り方によって、同じ部屋でも広さや高さが違って見えることがあります。
暗い色や濃い色の壁紙、大きな柄の壁紙を選ぶと部屋に重厚感が生まれます。
一方、明るい色や淡い色などの軽いトーンのシンプルな壁紙や小さい柄の壁紙を使用すると、部屋が広く感じる効果が得られます。
天井にワントーン明るい色の壁紙を貼ると、天井も高く感じるでしょう。また、シンプルな壁紙を使うと、部屋が広く感じると言われています。
人間の脳が1日に処理する情報の約80%は視覚から受け取るものだそうです。
一日の大半を過ごす部屋の中で、大部分を占める壁紙が、私たちの感覚や感情に与える影響はかなり大きいと言えそうですね。
インテリアや家具を選びやすい
シンプルな壁紙には、インテリアや家具を選びやすいというメリットもあります。
個性的な柄や大きな柄のデザインの壁紙の場合、インテリアや家具を選ぶ際に壁紙との調和をうまくとらないと、部屋全体の統一感を生むのは難しいです。
一方で、シンプルなデザインの壁紙を選べば、いろいろなインテリアや家具と調和を取りやすいでしょう。
壁紙とインテリアの個性がぶつかるということが起きづらいからです。
まとめ:シンプルな壁紙でお部屋をデザインしよう
今回は、シンプルなお部屋を実現する壁紙の選び方について見てきました。
空間におけるシンプルも、平面デザインと同じように、レイアウトと色校正の2軸を意識した方がまとまりのある仕上がりになります。
また、なるべく条件を細分化し、インテリアの『色・フォルム・質感』のような基準を作ることで、スムーズにコーディネートが出来ますよ。
コーディネートの際、ついつい一点の要素やアイテムにこだわりがちになってしまいますが、
お部屋のコーディネートは『舞台演出』のようなものなので、表面積の多くを占める壁紙をお部屋の「舞台の装飾」、インテリアや家具は「舞台の演者」と考えると、全体を意識した統一感が出るかもしれませんね。
そのことを踏まえ、シンプルなお部屋にしたいからと言って、必ずしも壁紙は”無地でなければならない”という訳ではないことが分かりました。
家具とのバランスをとりながら、壁紙に少し変化を加えると、より飽きのこないシンプルな表現へとつながります。
ワンランク上のシンプルなオシャレを楽しみたい方は、ぜひ柄入りの壁紙も試してみて下さい!
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